実行委員長から
発明研究奨励金の思い出
発明研究奨励金交付事業 実行委員長 加 藤 忠 郎
(日本発明振興協会副理事長)
私が 「発明研究奨励金交付事業」 に関わるようになったのは昭和61年度(1986年) の第7 回時に専門委員になってからですから、30年近く本事業に携わ っていることになります。 初期のころはもうお亡くなりになられましたが、陸軍の技術将校だった大元さんや海軍の技術将校だった三浦さんなどもおられ、委員会終了後、弾道計算など技術談議に花が咲いた
と いう楽しい思い出があります。
本協会の三大事業として、既に商品化された発明品の表彰を行う「発明大賞」、特許を商品化する上で支援する「発明研究奨励金交付」、子供の科学する心を養う「こども発明教室」がありますが、それぞれに存在意義を持った理想的な取り合わせだと思っています。
「発明研究奨励金交付事業」 の30 周年の時に実施した、過去の交付先に対するアンケ-ト調査では、有効回答数のうち82.7%が製品化に成功し、さらに現在も販売しているという回
答が42.3 % という結果が出ています。これは本事業の意義が大きいということを示していると思います。
この10年間で特記すべき事項は、本事業で発明研究奨励金を交付され、特許の商品化に成功され、これを発明大賞に応募して、見事発明大賞を受賞され、さらにはこの功績で黄綬褒章の受章や叙勲の栄に浴されたという理想的なケースがあったということです。今後も同様なケースが続くことを期待しています。
(平成26年1月20日発行 日本発明振興協会創立60周年記念誌より)