推進委員長から

        

 発明大賞の表彰事業は、昭和 5 0 年 (1975年)に発足して39年目になりました。 10年前に、原委員長から事業の運営を引き継いでいます。
 毎年多くの応募者があり、数々の得意技術が審査されます。受賞された中から、文部科学大 臣表彰や国家褒章、叙勲などの推薦もしております。当協会の会員のほとんどがオリジナル技 術で「発明大賞」により評価されたプロフェッショナルな発明者で、発明を通じて社会に貢献し、栄誉を受けておられます。わが社も「油回収ポンプ」で第6回(昭和55年度)発明大賞笹川特別賞を受賞し、協会に仲間入りしました。また、受賞製品はじめ当社の技術により、ペルシャ湾原油回収はじめ給油汚染防止等で自衛隊、海上保安庁などの港湾施設や自動車業界などへも貢献してきました。
 しかるに、世界経済は目まぐるしく大きく変わり、空涸化した日本企業は非常に厳しい状態にさらされています。中小企業が持続的な成長を図るためには、コストが安くて大量生産で きるような単品部品は中国やアセアン地域に任せ、数量は少なくても付加価値あるオリジナル商品を、絶えず追い続けるべきです。そのため にも、得意技術を持った技術集団同士がもっと交流して、世界に通用する素晴らしいオリジナル商品を、皆で作ろうではありませんか。当協会は、(地独)東京都立産業技術研究センターと業務提携していますが、中小企業に対して高度な技術や指導を支援してくれる公的機関や団体を活用すれば、海外企業に負けない技術力と世界進出が大いに期待できます。
 発明大賞表彰事業が、ものづくり中小企業の発明振興の一助となるべく、今後も推進してまいります。
             (日本発明協会創立六十周年記念誌(発行平成26年1月20日)から)